スタッフの想い〜Staff〜

そばにいるだけで、安心してもらえる存在になりたい
しまナーシングホーム大森 介護士 池田友恵 介護職歴10年。実父の闘病をきっかけに介護の道へ。有料老人ホームで経験を積み、2022年に入社。
現在はしまナーシングホーム大森で利用者に寄り添うケアを実践中。
父の入院が、人生の転機に

介護の仕事に就こうと決めたのは、まだ50代と若かった父が脳梗塞と心筋梗塞で倒れたことがきっかけでした。父は療養型の病院で半年ほど過ごすことになったのですが、そのときに出会ったスタッフの皆さんの対応が本当に温かくて。「こういうお仕事があるんだ」と初めて知る機会になりました。

当時の父は、ほとんど意思表示ができない状態でしたが、昔好きだった音楽を聴かせると、涙を流すことがありました。その姿に触れたとき、「聴覚は最後まで残る」と言われる言葉の意味が深く胸に響きました。もし自分に知識があったら、もっとできることがあったかもしれないという後悔もあり、自然と「介護の仕事に携わりたい」と思うようになりました。

はじめて訪れたときに感じた、前向きな空気

資格を取りながら有料老人ホームで働き、6年ほど別の施設で経験を積みました。その後、しまナーシングホーム大森に入社したのは3年前です。初めて訪れたとき、すれ違うスタッフの皆さんの表情が明るく、生き生きと働いている様子がとても印象的でした。面接場所のフロアから見えたご入居者様の日常も、温かい雰囲気に満ちていて、ここなら自分らしく働けそうだと感じたのを覚えています。

日々のケアでは、フランス発祥のケア技法「ユマニチュード」の考え方を取り入れています。目を見て、ゆっくり、穏やかに話しかける。たとえ認知症があっても、「帰りたい」とおっしゃる方には否定せず、「どうしたら帰れるかな?」と一緒に考えるようにしています。そうした声かけが、少しずつ気持ちを落ち着けたり、前向きに変えていく力になると感じています。

女性のご入居者様には、朝のお手入れの際に化粧水をそっとお顔に塗って差し上げることもあります。表情がほころんだり、「気持ちよかった」と声をかけていただけると、私のほうまで嬉しくなります。

気づきからはじまるケア、一人ひとりを大切にしたい

しまナーシングホーム大森には、「あの方、歩けるかもしれない」と誰かが気づいたら、その瞬間からケアが始まるようなスピード感があります。「立てそう」「もう少し食べられそう」と思ったことをホーム長に伝えると、すぐに対応してもらえる環境で、そこにやりがいを感じています。

現在は、約70名のご入居者様がいらっしゃいます。一人ひとりとできるだけ日々かかわりながら、「池田さんがいると安心する」と思っていただける存在になれるよう心がけています。毎朝の挨拶、何気ない会話、相手の表情や声のトーンへの気づき…。そうした小さな積み重ねが、信頼関係につながると思っています。忙しい毎日ですが、ご入居者様の笑顔に出会えるたびに、「この仕事が好きだな」と心から思います。